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創作話

短編『蟻』

鉛色の空気。五畳一間の住処。その中央で男は全身に敗北を纏い立っていた。裸だった。背骨がだらしなく曲がった53歳の男は肩を震わせながら「すみません、すみません、ありがとう、すみません、ありがとう、殺してくれ、食べてくれ」とパンクしたタイヤのよ…

芸人物語 第4話〜雨宮は何処へ〜

新宿ブースト。"エントリナンバー1番!【尺八】!"東京プカパラダイスオーケストラの「しゃがれたミカン」が鳴り響く。舞台が明転すると、舞台の中央には座布団が一枚。ではなく、気絶したままの三ツ島、その上に下手からゆらりゆらりとたっぷりの間を使い登…

芸人物語 第3話〜ウポンという男〜

「えー、一席のお付き合いを願うわけでございます。我々、噺家というものはその日その日、この寄席という場所に着いてからなんの話をしようかなというのを決めるでごさあす。今日は子供が来てるな珍しい、じゃあ一丁子供の出てくる話、初天神なんかやってや…

芸人物語 第2話〜雨宮の決意〜

カフェ・ド・グリーンの店員、斉藤朱音はある一つの疑念を抱きながら、殺虫剤を撒き、蚊取線香30個に火を灯した。カウンターから、儀式を終えた雨宮をじっと見た。"まさか、あの人が、あの・・・?"カフェのマスターや他のアルバイトの人間、客達はみな大量…

芸人物語 第1話〜雨宮の特殊能力〜

「太陽がアスファルトを溶かすんちゃうか。暑すぎる。」アスファルト溶けたら走ってるタクシーとか街路樹とかズブズブに溶けたアスファルトに沈むやん!ほな、お前、地下街とかどうなんねんと!地下にアスファルト流れ込むやん!デパ地下大変なことになるや…