本の世界と現実の世界が交わった話

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お題「誰にも信じてもらえない体験」


今から1年半くらい前の話。当時、とにかく毎日3冊ぐらい小説を読んでいました。恩田陸我孫子武丸東野圭吾カート・ヴォネガット谷崎潤一郎三島由紀夫筒井康隆安部公房などなど。

amazonレビューで評価が高い彼らの作品をメモしてブックオフの108円コーナーで見つけてはまとめて買う。読み終わったら売る、また買う、読む、売る…みたいなことしてました。

そんなある日の事です。

僕は相方を心配して電話をかけました。

「あー、もしもし。なんかこの間、財布スられたって言うてたけど大丈夫?」
「ん?何の話?」
「え?いや前言うてたやん。電車の中で財布スられたって。あれ? 違うっけ?」
「違う違う人違いやろ。」


その時はまだ事の重大さ、僕の脳内で起こっている其れに気づいてませんから、「まあそんなこともあるか」と、相変わらず狂ったように小説読んでました。

しかしその後、

「○○って最近どうしてんの?」「誰それ。」「いや、ほら友達の。」「そんな名前の友達いないけど…」みたいな会話のズレが頻発していきます。その他、持っていないモノを無くしたと思い込んだり、家の近くで交通事故があったと思い込んでいたり。

だいたい3日間くらいそんなことが続きました。さすがにおかしい。でも、それが小説と関係あるだなんてつゆにも思ってませんから相変わらず、同じペースで本は読んでいます。


大事件。

ある朝、パッと目が覚めて朝御飯を食べている時に、東京駅に行かなきゃいけない用事を思い出しました。せっせっと準備して早朝に横浜のアパートを出て、電車を乗り継いで東京駅に向かいました。


東京駅に着いた瞬間。

僕は東京駅に何の用事もないことに気づきました。と同時に、

小説という嘘の世界が、生きている現実の世界に侵入してきている

ことも悟ってしまいました。この時はホンマにめちゃめちゃ冷や汗をかきました。


弾丸で家に帰り、この数日間のおかしな出来事を覚えている限り紙に書き出しました。そして、この数日間のうちに読んでいた小説をザーッと読み返してみました。

細かいところは違えど、小説の中の出来事が大半でした。つまり、小説の中で起きたことを現実の世界の出来事だと思い込んでしまっていたのです。

寝ている時に見た夢を、毎日事細かにノートに書き起こしていると、夢と現実の区別がつかなくなり精神に異常をきたす。という話は聞いたことがあったので、それに近い何かだったのでしょうか。


それからしばらく小説を読む気にはなれませんでした。めちゃめちゃこわかったです。今も本は読んでいますが、その世界に没入しすぎないように、気をつけています。


読書好きのみなさんは、くれぐれもご注意を(笑)

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